ファミ通に最初に掲載されたやりこみ特集について

90年代から00年代にかけ、『週刊ファミ通(以下ファミ通)』ではゲームをやり込んだ模様を録画したビデオを誌面上で募っていました。

数ヶ月に一度のペースで送られてきたやりこみビデオを誌面で紹介するということも行っており、これらの投稿作品の中には後に『ファミ通WaveDVD(現在は休刊)』で映像DVDとして収録されたものもあります。

ファミ通に投稿されたやりこみビデオの中にはゲームの早解き動画も多く含まれており、現在におけるゲームのRTAの文化の最初の土台を作ったものだと言えるでしょう。

このファミ通で行われていたやりこみ特集について、一番はじめにやりこみ特集が掲載されていたときはどのような感じだったのかが気になったので調べてみました。

最初にファミ通にやりこみ特集が掲載された号

まず、ファミ通にやりこみ特集が最初に掲載された号について調べる必要があります。

これについてはWikipediaの『やり込み』のページに以下の記述があります。

『ファミ通』などのゲーム雑誌が読者からやりこみを募集し、投稿されたやり込みを特集し掲載することがある。さらにこれらのプレイから厳選してビデオやDVDなどに収録し販売している。ゲーム攻略本では、ライター自らがそのゲームのやり込みを掲載することも多い。

いずれのケースにおいても、深刻なネタバレ(隠しボスなど)を含むやり込みは公表されないか、大部分が伏せられる例が多い。

『ファミ通』では「やりこみゲーム大賞」という応募企画が幾度も開催されている(第1回の結果発表は『ファミコン通信』1992年2月7日号掲載)。

やり込み – Wikipedia より)

1992年2月7日号”とのことです。裏表紙に載っているNo.表記だと”No.164”となります。

実際の誌面

『ファミコン通信』1992年2月7日号

号数さえ分かればあとはオークションサイトやフリマサイトを駆使すれば手に入れるのは容易です。できるだけ状態のいいものを実際に入手しました。

クロスレビューにはロマサガ1と並んでギミック!が並んでおり、DQ5はまだ未発売でワールドマップが初公開されたことをスクープとしています。

やりこみ特集のページは102-105ページまでの合計4ページでした。

実際に掲載されたやりこみ

ゲーム名内容
ファイナルファンタジー3全員カエル状態でゲームをクリア
ファイアーエムブレムマップ21に辿り着くまでに全ユニットのレベルを20にする
F1サーカス’91全レースで優勝する
ドラゴンクエスト3キャラクター育成(全パラメータカンスト?)
ファイナルファンタジー2キャラクター育成(初期HPキャラの他パラメータをカンスト?)
いただきストリートマップ上のすべての店を買い占め限界まで増資
ドラゴンクエスト4全キャラクターのレベルを99にし、かつパラメータを全て5の倍数にする
ファイナルファンタジー3全職業の熟練度を99にする
ウィザードリィ3レベルを10000以上まで上げる

掲載されている作品は以上の9作品です。

ボツにされたものも含めて送られてきた作品の内訳も見ますと、応募総数96作品の中でDQ3が15作品、FF3が11作品、DQ4が7作品、FF4も7作品と大作RPGが多いです。

応募された中に現在で言うタイムアタックが含まれていたかは定かではありませんが、ゲーム内タイムをタイムアタックの記録とする文化が生まれた経緯を考えると1992年時点ではタイムアタックをやりこみビデオとして応募した人がいなかった可能性が高いと感じます。

失格になった作品も番外として載っていますが、ただレベルを上げただけのものやアイテムをコンプリートしただけの作品、また極端にゲームを破壊する裏技を使った作品の掲載は認めていませんでした。

まとめ

やりこみ特集の最盛期はRPGの低レベルクリア、もしくはタイムアタックが応募作品の大半を占めていましたが、最初期はRPGこそ多いものの応募作品の傾向としてはキャラクター育成などの要素がメインであったことが分かります。

全員カエル状態でクリアという所謂しばりプレイがやりこみ大将に選ばれたことは興味深い点ですが、タイムアタックがファミ通に掲載されたのはいつ頃なのかというのは分からず仕舞いでした。

どこにも情報がないため次にファミ通にやりこみ特集が掲載されたのが何号なのかがわからないのですが、わかったらまた入手して読んでみようと思います。