連射機のコミュニティ間の認識の差について

RTAを行う上でゲームによっては連射機能付きコントローラが推奨されるRTAもありますが、特に海外だと連射機能というのは基本的にチートという扱いというのもあり、所属するコミュニティによってその認識はまちまちです。

海外ルールが標準になりつつある現在では連射機能付きコントローラを使う人に対して時に厳しい目が向けられますが、日本で所謂連射機が使われるようになったのにはちゃんとした理由があります。連射機が標準となっていた時期としても十数年前のことで今では当時を知らない人も多いと思うのでこれを機にまとめておきます。

最初にRTAが行われたゲームについて

2000年代前半に初めてのRTAが行われましたが、まず第一として初めにRTAが行われたゲームが『ドラゴンクエスト』だったということは念頭においておかなければいけません。

今でこそRTAと言えばタイムを競うものという認識で間違いないのですが2000年代当時の風潮は違いました。タイムはもちろん早いほうがいいのですが、タイムよりも優れた戦略を考えてゲームをプレイすることのほうが遥かに重要視されており、タイムはいわば優れた戦略でゲームをプレイしたらおまけに付いてくるというくらいの認識でした。

ここで重要になってくるのが、ドラゴンクエストシリーズを始め当時のRTAと言えばRPGのみしか行われていなかったということです。
今でこそRPGにはイベントスキップなどが実装されて連射機はそもそもなくていいくらいの存在になっていますが、当時のRPGはそんなものはなくイベントシーンは全てボタンを連打するだけの時間となっていました。

そして問題になってくるのが、戦略の優劣を競いたい時にこのイベントシーンの時間は非常に邪魔だったということです。特にドラゴンクエストシリーズの中でもDQ7などはイベントの時間だけで何時間にも及びますが、連射機を許可しないとただボタンの連打が早いだけの人が戦術が優れている人よりタイムで勝ってしまうという戦略至上主義だった当時としては許容できないことが起こってしまうのです。

DQの場合は戦闘中のメッセージ飛ばしも設定で表示速度1にするより一番遅い表示速度8にしてボタンを連打したほうが早いシリーズなどもあったことから、連射機を使うことでボタンを押すのが早いだけの人を排除して戦術の優劣だけを見ることができるから連射機が使われたという観点があったことは知っておいてもらいたいです。

最初に連射機が当たり前とされていた時代から十数年経ちましたが、今でも特にRPGを中心にプレイされる方にはこの認識の方が多いです。

アクションゲームについて

アクションゲームのRTAは昔からプレイしていた人もいましたが、多くの方はキャプチャ機器を個人でPCに繋ぐことができるようになってから始められたものと思われます。RPGだけをRTAしていた時代の人たちからすれば幾分か時が過ぎていますので、まずここにジェネレーションギャップがあります。

そしてアクションゲームはRPGと違い、戦術も重要ではありますがどちらかというと己のコマンド精度などのほうが重要視される世界です。
ここで連射機を許容してしまうと、例えば最速フレームで常にボタンを押せることから重要視しなければいけないコマンド精度をコントローラで大幅に補えてしまいます。このことから、特にアクション界隈の方たちの中では連射機に対して否定的な意見が圧倒的です。

コマンドコントローラについて

連射機と違ってこちらは完全に許容されておらず、使用すると別カテゴリーになってしまうくらいのものですが、コマンド操作を記憶して同じ操作をすることができるコントローラ(所謂コマンドコントローラ)というものがあります。

私が記憶している中でコマンドコントローラが最初に使われ始めたものはマリオRPGでのスーパージャンプ100回の補助としてですが、やはりこれはズルをしているという意見が当時でも多かったため使った場合は別カテゴリーとして分けられていました。

なお、今ではスーパージャンプ100回は上位勢なら普通に標準コントローラでRTAにも組み込んで行うことのできるテクニックとなっています。

海外での認識について

海外でのspeedrunの成り立ちはさすがにそこまで追ってはいないので正確には把握できていませんが、少なくともSpeed Demos Archive(SDA)というspeedrunのまとめサイトが中心となって発展してきたことは確かです。

そのSDAですが、speedrunを行う場合は純正品以外は全部禁止というルールがありました。連射機能付きコントローラは純正品だとPCEしかないらしく、PCE以外ではそもそも連射機がルール上使えなかったのですね。

このような経緯があり、海外では最近では日本のルールに倣って連射機が許可されているゲームもありますが、それはごくごく一部で多くのゲームで連射機は今でもチート扱いとなっています。

まとめ

連射機使用の有無は所属しているコミュニティによって認識が違うので時に衝突することもあります。

海外ルールが標準化しつつある現在では特別な理由がない限り特に海外でも行われているゲームなどでは連射機は使用しないほうがいいとは思いますが、使われ始めた歴史を知るとゲームによっては致し方ないところもあるのも事実です。

RTAに何を求めるのかといった思想の違いになってくるのですが、考えの相違はあれどお互いのコミュニティを尊重することだけは忘れずにいてくれたらと願います。

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カテゴリー: RTA記録

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