アジアオリンピック評議会の主催するAIMAGでRTAが選ばれたことについて
*注意*
この記事は誤報で、実際にはRTAはAIMAGの種目として選ばれていません。
ただ、元のネットメディアの記事が相当数拡散されていて勘違いをしている方も多いと思われるため、誤報を周知という意味で記事は残しておきます。
2017/04/21追記
アジアオリンピック評議会の公式サイトで、AIMAGではRTAが競技されると書かれていたため、この記事を作成しました。
ただ、AIMAGのスポンサーであるAlisporsの公式サイトには『比赛项目除FIFA2017之外,将增加MOBA、RTS等三项非体育类竞技项目』と書かれており、こちらはRTAではなくRTSと書かれています。
このため、アジアオリンピック評議会の公式サイトでもRTSをRTAをタイプミスした可能性が捨てきれません。
アジアオリンピック評議会にもこの件で問い合わせてみましたが返事がないため、ここから先の話はもしかすると間違っている可能性があるかもしれないということを念頭に置いて読んでください。
2017/04/23追記
RTSは『Real-Time Speedrun』の略ではないかとのコメントをいただきました。
今ではRTAという言葉が世界中に広まっていますが、詳しい人に聞いたところ昔は英語圏でも使われていた言葉のようです。意味はRTAと同義です。
ただ、やはりRTSというとリアルタイムストラテジーという略での意味が一般的なことから、こちらもRTAのことを指しているのかどうかはまだ分からないという状況です。
2017/05/21追記
アジアオリンピック評議会のWebサイト(http://www.ocasia.org/News/IndexNewsRM.aspx?WKegervtea14aBPz7fagkA==)より、e-sportsの種目が全て公開されました。
RTAとされていた部分はRTSの『StarCraft II: Legacy of the Void』となっており、RTAではないことが明確になりました。
ここから下の記事は、この誤報があったときに日本ではこのような反応だった、というふうな心構えでご覧ください。
本文記事
【ニュース】アジアオリンピック評議会、2022年のアジア競技大会で「e-Sports」を正式メダル種目に採用へ。別大会ではRTAも種目に?https://t.co/kXqQjVRzu6pic.twitter.com/83alMg8svH
— AUTOMATON (@AUTOMATONJapan) 2017年4月18日
今日の朝、アジアオリンピック評議会が2022年の競技大会からe-Sportsを正式なメダル種目に採用するというニュースが流れました。
それと同時に、こちらは2022年のものとは別の大会ですが、今年2017年の9月に第5回目を開催する『アジアインドア・マーシャルアーツゲームズ(AIMAG)』という大会で、FIFA、MOBA、RTAが競争されるというニュースも流れました。
e-sports関連の発展には目覚ましいものがあるので、いずれ競技種目となるのかもとは思っていたのですが、ここにRTAの名前があるのが驚きです。
ちなみに、メディアの中にはRTAをRTSと誤記しているサイトもあるのですが、
E-Sports to be contested at the 5th AIMAG this September include FIFA 2017, MOBA (Multiplayer Online Battle Arena) and RTA (Real Time Attack) gaming types.
アジアオリンピック評議会公式サイト(http://www.ocasia.org/News/IndexNewsRM.aspx?WKegervtea30hootVhTdtQ==)より引用
とあるため、RTSとしているサイトが間違いです。
当サイトはRTA専門のWebサイトですので、RTAの部分に着目していきます。
アジアオリンピック評議会について
このニュースの後、私も改めてアジアオリンピック評議会について調べてみました。
アジアオリンピック評議会はオリンピックをアジアに広めることを目的とした団体で、国際オリンピック委員会が認める組織のうちの一つみたいです。
4年毎に開催される皆さんご存知のオリンピックとは別の大会を多く企画しており、今回RTAが行われる予定のAIMAGもその一つです。
AIMAGとは
AIMAG(アジアインドア・マーシャルアーツゲームズ)は、最近できたばかりの大会なのでご存知のない方が多いかもしれません。
元は、アジアインドアゲームズ(室内競技が多い大会)とアジアマーシャルアーツゲームズ(格闘競技が多い大会)の2つがありましたが、この2つの大会を2013年にまとめたものがAIMAG(アジアインドア・マーシャルアーツゲームズ)です。
この2つを混ぜてもゲームと何ら関係なような気がしますが、ここ最近のe-sportsの高まりも受けたのでしょうか。このAIMAGにもe-sportsが入ることになり、e-sportsとして何故かRTAも入ることになったわけです。
アジアでのRTAについて
オリンピック関連の組織がRTAに言及するほどとなっていますが、果たしてアジア地域でRTAはどうなっているのかと言いますと、はっきり言って日本に比べると全く流行っていません。そもそもゲームを早くクリアする遊び方が行われているのかすら謎です。
speedrun.comやSpeedRunsLiveなどを見て分かる通り、日本以外のアジアの人たちはただでさえ少ない日本人よりさらに少ないです。
多くの国はインターネット回線がまだ動画配信などには不十分というのはあるかもしれませんが、RTAというのはそもそもどのように進めるかといった戦略を練ることがかなり重要で、最新戦略を追っていないといくらプレイが上手い人でも追いつけない壁があることも多いのです。
多くの戦略は日本語や英語でテキスト、もしくは動画が上がっているものを読んだり視聴しないといけないため、まず多くのアジア圏の人にとってはインターネット回線もそうですが言語での壁が大きいです。
韓国に知り合いがいるので雑談混じりにプロゲーマーも多くいる韓国でのRTA事情を聞いたこともあったのですが、ダークソウルをやっている人を一度見たくらいでほとんどやっている人がおらず、日本のRTA人口とは比べ物にならないという話も聞きました。
競技ゲームが何になるかだとは思いますが、日本に馴染みのあるタイトルなら全て日本人で上位を独占というのも夢ではないように思います。
参加の問題
RTAが種目となったことで嬉しいこともあるのですが、大会に参加できるかどうかという話はまた別です。
日本人選手が派遣できない eスポーツが“メダル種目”になるも……協会が抱える課題 https://t.co/MlLeszs6mtpic.twitter.com/sW7u17R1Kf
— ITmedia NEWS (@itmedia_news) 2017年4月19日
内容を要約しますと、AIMAGのような大会に日本人選手を派遣するには”そのスポーツの国内唯一の代表団体(支部とかもいるし大会もたくさん開催してないといけない)”が送り出す必要があるみたいです。
ただ、e-sportsの団体は日本に3団体あり、代表団体が未だにはっきりしていません。
RTAがe-sportsと言われるとちょっと疑問符が浮かんだりもするのですが、RTAの代表団体もそもそも存在しないので同じことです。
AIMAGは今年の9月とのことですが、今年の9月なのにゲームのタイトルがまだ発表されていないのは正直遅いですし、9月までに日本から送り出せる団体が出来上がるかというとそれも難しいです。
RTAが大きな注目を浴びることは素晴らしいと個人的には思っていますし、ゲームを早くクリアするという遊び方はとても楽しいので、それがもっと世界に広まればとも思っています。
ただ、今回のこの発表は嬉しさ反面不安も多く、9月に日本人選手を正しく送り出せるのかというと壁も感じます。
もしRTAの世界大会があったら、おそらく日本は世界でもかなり上位のレベルで、少なくともアジアでは間違いなく1位と言えるくらいの位置にはいます。
これが有効活用されないとなるともったいないですし、私にできることは少ないかもしれませんが、何とか今後の展開を注視していこうと思います。
ディスカッション
コメント一覧
「RTS」は誤字ではないと思われますよ。
「RTA」は日本コミュニティ特有の名称で、英語圏で現実時間のSpeedRunに言及する場合は「Real-Time Speedrun」の略称の「RTS」が使われる場合があります
情報ありがとうございます。
英語圏のスピードラン界隈に詳しい人に聞いてみたところ、RTAという言葉が海外に出回る前はたまに使われていた昔からある言葉だそうです。
ただ、やはりRTSとだけ書かれるとリアルタイムストラテジーのほうを思い浮かべてしまいますし、まだRTAがAIMAGに採用されたかどうかについては確定ではないと思っています。一応追記として記事中に追加しておきました。