海外のRTA団体のスポンサーに賭博サイトが付き始めていることについて
Twitchを中心にRTAのレースの配信をしているチャンネルは多くありますが、『Speed Gaming』、及び『Global Speedrun Association』について、そのスポンサーに賭博サイトの『VIE.GG』が付いていたようです。
どちらの団体も知らない人が多いでしょうから順に説明します。
Speed Gamingについて
Speed GamingはTwitchで古くから活動しているレース形式のRTAを配信する団体です。
RTA in Japanの英語リストリーム先などもここで、古くから信頼のある団体です。
GSAについて
GSAは最近出来たばかりの団体でTwitchで主にレース形式のRTAを勝ち抜きトーナメント形式で配信しており、日本からもプレイヤーとして参戦した方がいらっしゃいます。
speedrun.comなどとも協賛しており、GSAに参加するRTAプレイヤーの方々も実力のある方がほとんどで、日々ハイレベルなレース形式のRTA配信を行っています。
VIE.GGについて
まずGSAですが、最近『VIE.GG』というところからスポンサードを受けるという告知がありました。
Announcing 3 new GSA tournaments sponsored by @ViedotGG!
Super Metroid: https://t.co/PhsY8kI0kL
Super Mario Odyssey: https://t.co/IpHzvqcHIL
Super Mario 64: https://t.co/dInvzJ8eprBet on all tournament matches here: https://t.co/Q4Zy9qoH3d
Watch live at https://t.co/3eyP5VVVYBpic.twitter.com/N78zhGxlSq— GSA | Global Speedrun Association (@GlobalSpeedrun) November 13, 2018
上記のツイートの内容は『スーパーメトロイド』、『スーパーマリオオデッセイ』、『スーパーマリオ64』の3つのトーナメントについてはVIE.GGがスポンサーになってくれたというものです。
SpeedGaming is hosting two winter tournaments
Super Mario World: https://t.co/V8mj2B70tw
SM + ALTTP Combo Rando: https://t.co/BcllOo4W7Z
$750 prize each
Sponsored by @ViedotGG! Bet on matches: https://t.co/Z38EX8hQdm
Proceeds added to prize pool.
Details: https://t.co/9Drr5udK2wpic.twitter.com/cssO3SBxsK— Speed Gaming (@SpeedGamingShow) November 16, 2018
Speed Gamingについても同様で、『マリオワールド』と『スーパーメトロイド(ランダマイザ)』のイベントについてVIE.GGがスポンサーに付くという告知がされています。
このVIE.GGなのですが、内容はe-sportsなどのタイトルでプレイヤーなどにお金を賭けて当たれば配当に応じてお金を得られる賭博サイトです。サイト上に「18+」とあることから18歳未満禁止のコンテンツとなります。
賭博サイトの合法性について
賭博と言うと聞こえは悪いのですが、実は海外においてはこのような賭博サイトはあまり珍しいものではなく、国によっては完全に合法なものとなっています。
賭け金に対する還元率も高めで健全に運営されているものも多いようで、海外ではこのような賭博サイトは一定の市民権を得ていると言っていいでしょう。
ちなみに、日本からこのようなサイトを利用することは合法だと言う意見もあればグレーゾーンに当たるという意見もあります。意見の分かれる事柄ですので、出来るなら利用を控えたほうがいいとは思います。
プレイヤーとしての参加について
このような賭博サイトと提携しているイベントに参加する際の注意喚起です。
日本は優秀なRTAプレイヤーが多いためインターネットを介して参加できる海外のイベントに参加する人も多いですが、日本については賭博に関する抵抗感も強いことが予想され、また参加することで相手に勝たせるよう八百長などを持ちかけられるリスクも生じます。
GSAやSpeed Gamingなどの海外のRTAイベントに参加することで自分のRTAの力を試せるということもあり参加について特にどうこう言うつもりはありませんが、参加するならそれが賭博の対象になっていないかどうかを確認し、なっているなら自分が賭博の対象になることは把握しつつ参加するようにしてください。
ちなみに、日本からこのような賭博の対象になるイベントに参加していいかどうかを調べてみましたが、調べてもよく分かりませんでした。知っている人がいたら教えていただければと思います。
今後の展開について
あくまでSpeed GamingやGSAはスピードランのコミュニティの促進を目指して活動している団体です。
VIE.GGがスポンサーに付いたことでトーナメントの上位者に僅かながらの賞金が出るようになったという利点もあるので一概に悪というわけではありませんが、今回のスポンサー提携は一時的なものかもしれませんし、個人的に今後の海外のスピードラン界隈の動向は注視しておこうと思います。
ディスカッション
コメント一覧
>ちなみに、日本からこのような賭博の対象になるイベントに参加していいかどうかを調べてみましたが、調べてもよく分かりませんでした。知っている人がいたら教えていただければと思います。
本件についてはオンライン賭博についての考え方が近いと思うのでコメント致します(既にご存知の内容も多いかと思いますがご容赦ください)
国内にいながらにして海外サーバー上で賭博行為をすることは、現行法ではグレーゾーンであり、厳密には結論が出ていないようです。
賭博行為は胴元と客が両方いて成立するものであるところ、胴元が海外を拠点にしている場合日本の法律では罰することができない、にも関わらず客だけ裁ける道理がない、というのが、合法側の主張として一般的なものです。
過去にオンライン賭博絡みで逮捕者が出る場合は、原則として「オンライン賭博の胴元が国内にいる」「オンライン賭博の胴元自体は海外にいるが、客たちを集めて遊ばせる場所が国内に存在する」の2点のみであり、単純に個人でオンライン賭博をやっている人が逮捕されるケースは近年まで存在していませんでした。
2年程前に、オンラインカジノで単純に遊んでいた客のうち複数名が逮捕され、業界を震撼させましたが、その中の1人が略式起訴に応じず争った結果、不起訴となった事例があります。本件は(悪名高い)京都府警によるものであり、実績作りのための先走りであると考えて良いと思います。(失敗したわけですが)
今でもオンライン賭博をやっている日本人は相当数いますし、彼らは起訴どころか逮捕すらされていません。
私見になりますが、有罪になることは無いと言ってよく、逮捕される可能性についても非常に低いと推測されますが、リスクゼロではないと言ったところかと思います(平凡な結論ですが)。もしプレイヤーが参加するなら、大々的に宣伝するのは好ましくないでしょう。
補足ですが、上記のコメントについては、「プレイヤー自身が参加費を払って勝ち負けの結果次第で賞金を得る」場合についてのものであり、
単にプレイヤーはプレイするだけ、観客が金を賭ける、といったことなら賭博罪とは関係ないと考えられます。
補足説明ありがとうございます。詳しくないので助かりました。
グレーではありますが、現状問題とならない可能性が高いとのことですね。RTA界隈は今後プロリーグのような形で発展していくのかと勝手に思っていたら賭博関係へと動いていて少し戸惑っていますが、これからの展開も注視していこうと思います。