SFCゲームのRTAを行う上での機器まとめ
このページはSFC(スーパーファミコン)のゲームのRTAを行う上での必要な機器についてまとめています。
一世代前の普通のファミコンのRTAを行うときと必要な機器はほとんど変わりませんが、スーパーファミコンは扱える端子が豊富です。
機種について
スーパーファミコンは通常の「スーパーファミコン」と後期に発売された「スーパーファミコン ジュニア」が存在します。
特別な理由がない限り通常のスーパーファミコンのほうをおすすめします。
スーパーファミコンはゲームの映像を映す上で「コンポジット端子」、「S端子」、「RGB端子」と複数の端子に対応していますが、スーパーファミコン ジュニアは「コンポジット端子」にしか対応していません。
そして、コンポジット端子はこれらの端子の中で最も画質が悪い端子となります。
これらの理由から、今回の紹介ではスーパーファミコン ジュニアについては扱いません。
機種の差異について
スーパーファミコンは本体による性能差が存在します。
外側からは判断できませんが、スーパーファミコンは製造時期によって中に搭載されているCPUが異なっています。
- SHVC-CPU
- SNS-CPU-GPM
- SNS-CPU-RGB
- SNS-CPU-APU
- SNS-CPU-1CHIP
基盤に印字されている文字だけで上記ほどの種類があり、最後の「1CHIP」のCPUが一番高画質かつ高音質で出力してくれます。
スーパーファミコン ジュニアは確定で1CHIPが搭載されていますが、前述した通りコンポジット端子でしか出力できないため性能を存分に引き出すことができません。
またRTAで関わるところで言うと、この基盤によってゲームの乱数が異なってくる場合があります。
状況再現を使用するゲームのRTAを行う場合は本体の厳選も必要となってくるかもしれません。
なお、本体底面にある型番を見ることでどの辺りのCPUであるか推測することはできますが、CPUを見分ける方法は特殊ドライバーを使って本体のカバーを外し、中を見て実際に印字を確かめるしかありません。
出力端子について
スーパーファミコンは「コンポジット端子」、「S端子」、「RGB端子」に対応しています。
画質がいい順に表すと「RGB端子>S端子>コンポジット端子」となります。
不等号だけ見るとRGB端子がいいように思えますが、RGB端子はかなりマイナーな端子のため映るテレビも映るキャプチャデバイスも入手が非常に困難です。
RGB端子を使うにはRGBをHDMIに変換する機器である「フレームマイスター」、「OSSC(RGBJP21→SCART変換する必要があり)」などが必要ですが、どちらもある程度の知識がいる上に高価です。
分かる人はRGBでと思いますが、現実的にはコンポジット端子かS端子で繋げることになるでしょう。
コンポジット端子とS端子ではS端子のほうが綺麗に映るので、S端子をおすすめします。
コンポーネント端子について
公式に対応したものではないですが、サードパーティ製で「コンポーネント端子」のケーブルも売っています。
画質的にはS端子より綺麗に映り、RGB端子のものとほぼ変わらないくらいです。
コンポーネント端子のケーブルはさまざまなメーカーから販売されていて値段にもかなりの差がありますが、コンポーネント端子での出力を実現するために内部的にRGBを変換しているのもあって製品によって優劣が激しいようです。
そのことから、値段は少々高いですがコンポーネント端子のケーブルを購入するならHD Retrovision製一択だと思います。
分配について
キャプチャデバイス側で録画をする場合、遅延が少ない環境でプレイしたいなら自分がプレイするためのテレビ(モニター)にも映像を送る必要があります。
それを映すパソコンのスペックに依存することが多いですが、キャプチャデバイス側の映像はどんなにハイスペックなパソコンを使用しても2,3フレームは遅延してしまうからです。
2,3フレームくらいの遅延なら別にいいやという方はこのセクションは読み飛ばしてください。
コンポジット端子の分配
『FCゲームのRTAを行う上での機器まとめ』の該当部分を参考にしてください。
S端子の分配
S端子はもうほとんど使われていない端子なことから、分配するための方法がかなり限られます。
軽く調べましたが現在では製品の在庫も限られており、S端子のまま分配するには上記3つを購入して強引に分配するくらいしかなさそうです。
RGB端子の分配
RGB端子のまま分配するのは現実的ではないので、OSSCやRetroTINKを使ってHDMI変換した後に分配するほうがいいです。
参考:OSSC(Open Source Scan Converter)の購入方法について
参考リンク:
Home | RetroTINK LLC
※2X-SCARTとなっているもの
なお、RGB端子についてはOSSCもRetroTINKも端子の仕様が海外仕様となっているため、日本のRGB(RGB21JP)を海外仕様のSCARTに変換する必要があります。
ここまでの文章でよく理解できなかったらRGB端子は避けたほうが無難です。
HDMI変換について
RGB端子はデフォルトでHDMI変換必須ですが、コンポジット端子もS端子もHDMIに一度変換してからHDMIケーブルでキャプチャデバイスや映像機器に映すというやり方があります。
現状では遅延が少なく快適にプレイする上ではRetroTINK一択となっており、他に選択肢が存在しない状況となっています。
参考リンク:
Home | RetroTINK LLC
SFCで遊ぶなら「RetroTINK 5X-Pro」もしくは「RetroTINK 2X-Pro」がおすすめです。
RetroTINK 5X-Proは端子も豊富でフルHDの1080p出力に対応している代わりに高価、RetroTINK 2X-Proは安い代わりに接続端子が少なく480pまでの出力しか対応していません。
レトロゲームでたくさん遊ぶならRetroTINK 5X-Pro一択ですが、SFCで一部のゲームだけで遊ぶのならRetroTINK 2X-Proでもいいでしょう。
キャプチャデバイスについて
HDMI変換せずにプレイする場合、キャプチャデバイスはGV-USB2一択です。
コンポジット端子、S端子はこれを買えばそのままPC上にキャプチャできます。
偽物も多く出ているみたいなので、IO-DATA製のGV-USB2か確かめてから購入しましょう。
HDMIに変換する場合は、HDMI端子が接続できるキャプチャデバイスを適当に選びましょう。
テレビ(モニター)について
現在発売されているテレビやモニターでコンポジット端子が繋がるものはほとんど存在しません。
あったとしても、遅延が大きいものがほとんどなので使い物になりません。
ある程度簡単に手に入って最も遅延のない機器はブラウン管テレビです。
ブラウン管テレビは既にどのメーカーも生産していませんが、オークションサイトやフリマアプリではまだ売られています。
HDMI変換するなら適当なゲーミングモニターを買えばそれで事足ります。
パソコンについて
ゲームの映像を録画するためにはいろいろな方法がありますが、パソコンを買うのが結果的に一番楽です。
キャプチャデバイスを繋げることができれば何でもいいですが、多くのキャプチャデバイスはWindows専用のためWindowsが搭載されているパソコンをおすすめします。
Macでもキャプチャできますが、Windowsでのキャプチャよりはネット上の情報も少ないためMacの知識がある人でないと厳しいでしょう。
PCのスペックについてはSFCならそこまで過大なスペックは要求しません。十数万円のものでなくても数万円のパソコンを適当に買ってツールを入れれば問題なく録画できるでしょう。
まとめ
スーパーファミコン ジュニアではないスーパーファミコン、それを録画するためのキャプチャデバイス、さらに分配先のテレビ(モニター)があればスーパーファミコンのゲームのRTAを行うための準備は完了です。
どれだけ綺麗に出力したいかによって掛ける労力は変わりますが、手軽にできるコンポジット端子やS端子によるキャプチャ、苦労はするが高画質でキャプチャできるコンポーネント端子やRGB端子かを選んで録画環境を整えましょう。