分配器
RTAをするときにゲーム画面を録画したり配信する場合があるかもしれませんが、そういうときは『キャプチャ機器』があったほうが便利です。
キャプチャ機器があればゲーム画面をPC画面にも表示させることができるためPC画面を見ながらゲームをプレイできますが、キャプチャ機器を通した映像は遅延が大きいです。また、PCレスでRTAを録画しているときなどはキャプチャ機器側だけに映像を送るとプレイするための映像が見れません。
こういう問題を解決する機材として『分配器』というものがあります。
分配器とは
分配器(スプリッター)とは、映像と音声を複数に分けて出力するためのものです。
分配器と言うとゴツゴツした機器のイメージがありますが、文字通り分配するハードウェアだったり、分配するケーブルだったり、キャプチャ機器に分配機能が付属していたり形状は様々です。
ゲーム機には様々な端子のものがありますが、”コンポジット端子”、”S端子”、”HDMI端子”が代表的な端子でしょう。
この中でコンポジット端子とS端子、そしてHDMI端子では分配のさせ方も異なるので紹介しておきます。
コンポジット端子の分配方法
コンポジット端子の分配のやり方は、分配ケーブルを使う、もしくは分配するための機器を使うかの二択です。
ゲーム機用の分配ケーブルとしては上記のようなものを買えば大丈夫です。
メスのところにゲーム機からの端子を繋げると2つに分かれているそれぞれの端子から映像と音声が同時に出力されます。
ケーブルを使う際の注意点としては、分配するときに信号情報が分かれる影響で映像も音声も多少劣化します。映像を見ると分かりやすいですが、多少映像が薄くなる点には目をつぶりましょう。
分配するための機器を使う場合は、北米のAmazonのみ取り扱っている商品ですが『RadioShack製の分配器』を買うといいでしょう。
こちらはコンポジット端子のみならずS端子の分配にも使えるすぐれものです。また、ACアダプタが付いていて給電されることもあり、映像と音声の劣化はケーブルを使うときよりも抑えられます。
S端子の分配方法
S端子を分配する方法もコンポジット端子と同様です。
まずはケーブルを使う方法ですが、S端子についてはS端子単体でメス1オス2になっているものはありますが、音声端子となる赤色端子(RCA端子)が同時に付属している分配ケーブルが存在しません。
こちらについてはややトリッキーな方法になりますが、全てオスのものに加えてオス同士を繋げる延長アダプタを買うことで強引に解決できます。
上記のもの2つを買えば正しく映像と音声を2つに分配できます。
S端子のメス1オス2分配、さらに音声の赤白端子(RCA端子)のメス1オス2分配を買えば同様のことができますが、メスが1つでオスが2つというのはややトリッキーなものなのか探すのが難しそうに感じました。
コンポジット端子の欄でも紹介しましたが、『RadioShack製の分配器』はS端子にも使えます。
海外通販なのに敷居を感じるかもしれませんが、これひとつで複数の端子に対応できるのがおすすめです。
RadioShack製の分配器
RadioShack製の分配器はおすすめなのですが、これだけではダメでコンポジット端子を使うならコンポジット端子と音声端子(RCA端子)のオス-オスのケーブル、S端子を使うならS端子のオス-オスが必要なことに注意してください。
上記のようなものですが、2つに分配するならそれぞれ2セット分のケーブルを買う必要があります。
HDMI端子の分配方法
HDMI端子の分配の分配のやり方は大きく分けて3つあり、分配器を使う方法、対応したキャプチャ機器を使う方法、液晶モニターを使う方法です。
まずは分配器を使う方法からですが、上記のような1入力2出力のものを買えば大丈夫です。
ただ、HDMI端子の分配器は当たり外れが大きいです。ACアダプタが付いていて電源が供給されるものなら安定していることが多いですが、買ってみても動かないことが多々あります。
また、HDMIにはバージョンがあります。バージョンが古すぎるとうまく映らないこともありますが、用途がゲーム機ならとりあえずバージョン1.3以降のものなら全て大丈夫です。
なお、HDMI端子では4Kの映像を映すことができますが、4Kの分配に関してはかなり難しいのでこの記事では省略します。
次にキャプチャ機器を使う方法です。
最近のHDMIキャプチャ機器にはパススルー機能というものが付いていることがあり、これがあると遅延なしでキャプチャ機器以外のモニターなどにHDMI端子からの映像を送ることができます。キャプチャ機器から分配させるときはパススルー機能が付いているものを選びましょう。
こちらはキャプチャ機器を使うことが前提のため、PCが起動していないと給電されず分配できません。
最後に、モニターを使う方法です。
上記のBenQの「RL2460」というモニターのみの機能ですが、このモニターはモニター自体にパススルー機能が付いており、「HDMI OUT」と書かれているところにHDMIケーブルを挿すだけでモニターに映っている映像を遅延なしで別のもの(キャプチャ機器など)に送ることができます。
私がHDMI端子の分配に使っている方法もこれです。
キャプチャ機器の遅延について
キャプチャ機器は基本的に映像が映るまでに遅延があるものと考えてください。
この遅延に関して、例えばソフトウェアエンコードのキャプチャ機器を使う場合は遅延の大きさもPCの性能に左右されます。上記動画はあまりスペックの良くないPCで映したものですが、PCによってはこれくらい顕著な差が出ます。
セレクターについて
分配器ではなく、セレクターという機器も存在します。
4入力1出力のようなものがそれですが、これはゲーム機からのケーブルを差し替えることなくスイッチひとつで出力先を変えるために使われるものです。
分配器とは違い、同時に2つ以上出力するためのものではないので注意してください。
動画
文章を読むのが面倒な方のために動画にもしています。
本記事に書かれていることと同じようなことを動画内で言っていますが、良かったら参考にしてください。